柏市内の障害福祉サービス事業者が指定取消処分に、不正請求総額は14自治体で約3,900万円

柏市内で障害福祉サービスを提供していた事業者が、不正請求を理由に指定取消しの行政処分を受けました。
柏市を含む14の自治体にまたがる問題で、影響を受ける利用者への対応も進められています。
何が起きたのか
柏市内で「就労継続支援A型」という障害福祉サービスを運営していた事業者「一般社団法人eN-YuKaRi.」に対し、柏市は令和8年8月27日付で指定取消し処分を行いました。処分の効力が発生するのは令和8年11月1日です。
就労継続支援A型とは、障害のある方が雇用契約を結んだうえで働きながら、必要な訓練を受けられるサービスです。
今回処分を受けた事業者は、この仕組みを悪用し、実際には行っていない支援や活動を行ったかのように装う形で、給付費を不正に受け取っていたことが分かりました。
不正の具体的な内容
柏市が令和8年1月から実施した監査により、主に3つの不正行為が確認されました。
1つ目は、実態のない活動報告に基づく不正請求です。連携企業と地域連携活動や利用者の知識・能力向上に取り組んだとする報告書を市に提出し、これに基づいて本来より高い区分の給付費を受け取っていましたが、報告書に記載された活動の実態は確認できなかったとのことです。
2つ目は、契約先企業の経営実態が確認できない場所で行われた支援を根拠とする不正請求です。「施設外就労」(企業と請負契約を結び、その企業内で作業を行う支援)として給付費を請求していましたが、契約先企業の経営実態が確認できない場所で行われていたものが含まれていました。
3つ目は、個別支援計画に関する不適切な取り扱いです。施設外就労を行う際に必要な個別支援計画を事前に作成しないまま給付費を請求していたほか、市の監査に対して、利用者本人以外の署名を転用した書類を提出し、利用者本人が署名したものであると偽って説明していたことも判明しました。
不正請求の規模
今回の不正請求は、柏市のほか流山市、野田市、我孫子市、松戸市、茂原市、船橋市、佐倉市、印西市、つくばみらい市、春日部市、大田区、台東区、稲城市の合わせて14自治体にまたがっています。
不正請求額の総額は約3,900万円で、このうち柏市分は約1,400万円にのぼるとのことです。
今後の対応
柏市を含む関係自治体は、不正に受け取られていた給付費の額を確定したうえで返還を求めます。法律の規定により、返還額の40%を加算金として徴収することも可能とされています。
柏市では、利用者が処分効力発生日以降も必要なサービスを受けられるよう、他の事業所への円滑な引き継ぎとその報告を求める行政指導を行うほか、利用者の負担額に過誤が生じている場合は、該当額の返金を求める行政指導も行うとしています。
また、令和8年1月以降の事業運営についても、自主点検とその結果の報告を求め、必要に応じて関係法令に基づく調査等の措置を講じるとしています。
障害福祉サービスは、利用者やその家族にとって欠かせない支援の一つです。今回のような不正が二度と起きないよう、行政による監査体制の強化が求められるところです。









